【短編小説】惰

今日も一人、渋谷で夜を明かす少女。

綺麗な黒髪で、体全体の線が細くラフな格好が妙に似合う。
化粧っ気はないが、整った顔立ちが大人びた印象を与える。
そのような少女の物語。

 * * *

面白いことがある訳ではない。
でも渋谷にいる。

渋谷が好きという訳でもない。
ただ、人が多いとなんとなく安心するだけ。

親や友達がいない訳ではない。
ただ、特別仲が良いという訳でもない。

何かが満たされない。でも満たそうとしない。
何か自分から行動しないといけないことくらい、、、わかってる。

わかっているなら行動できる?そういう訳でもないよね。きっと。

日常を吹き飛ばすくらいのきっかけを求めてる。
変わりたいのよ、私。

自身を特別な存在だと信じてる凡人は、とても辛いの、、、知ってる?

知って欲しいの。私を。

そして、教えて欲しい。
私が特別な存在だって。

声をかけてくる男性なんていくらでもいる。
でも、満たしてくれる男性は、、、きっといない。

基準なんてないわ。感覚だもの。

今日も10歳は年上の男性と、素敵なディナーと欲望の交じりで自身を知っていくの。
いつか特別な存在だとわかる日まで。